2006.10.1 ART SCAPE 展覧会レビュー
ギャラリー白,ギャラリー白3 個展

小吹隆文

無垢のキャンバスの一点に鉛筆でドローイングし、そこを起点に絵
具の山を落としてはペインティングナイフで抉り取る作業を繰り返
して作られる館勝生の作品。やり直しがきかない作業から伝わる白
熱の集中力と、無垢のキャンバスが醸し出す静謐感。両者の共存が
深い余韻となって観客に伝わってくる。乾かないまま積み重なり、
複雑な形象と模様を見 せる絵具の山の生々しさは一見の価値あり。