2000.2
Oギャラリー 個展

塩入敏治

白地のキャンパスに繊細な線が遊戯する中心に、目を覚ますような
絵具の固まりが盛り上がっています。一見して、蜻蛉を想像してし
まいました。繊細で、力強く、そして生気にあふれた作品です。彼
もまた、脱皮をして自由に羽ばたく心境でしょう。躍動感あふれる
作品にもかかわらず、静的平穏を感じないではいられません。かつ
ての作品のように、個人性を感じさせないところがいいですね。抽
象表現主義に、東洋的要素が加わった感じがしないでもなく、益々
楽しみになってきました。