1992.2.7 赤旗
ギャラリー白 ペインティング展

無著名

関西を中心に活動する画家4人によるタブローの展覧会。館勝生
は、暗く奥深い空間を思わせる画面に、昆虫の羽根を連想させる
形態を浮かび上がらせる作品で、静けさの中に生命の胎感を感じ
させます。見方によっては全く異なる様々のイメージをうける不
思議な魅力のある作品。山部泰司は赤、黄、それぞれを基調とし
て、そこに有機的な形態を配置した画面を2点並立して展示し、
両作品のコントラストが鮮やかです。一方は、おだやかなまとま
りを見せ、一方は画面上の絵の具の処理や画面の構成から発散す
る緊張感がみなぎります。古典主義から表現主義、抽象表現主義
の影響もうけつつ、独自の表現世界を創りだそうとする意志の力
を感じさせる展覧会といえます。他に朝比奈逸人、横溝秀実。